内定辞退

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今回は内定辞退について。そろそろ卒業が近づく季節、卒業後の就職先についてもいろいろと考える時期。期待と不安があるでしょう。自分に合った職場なのか、上司は優しい人なのか。仕事についていけるのか。会社との相性は面接など直接会って話したり、職場に行って空気感を感じたりしていろいろと判断できるので、書面などで就職したいと思い希望し、就職試験を受けて内定をもらっても、自分の人生、将来を考え最終的に内定を辞退することも当然と言えば当然と言えます。いくつか内定をもらっている人は、内定を辞退するのも大変だったりします。また一方で採用担当者は慎重に判断し、内定を出します。その分不採用と通知した人もいるわけで、最終的にギリギリのところで内定を辞退されると非常に困るという、企業側の考えも理解はできます。SNS上には、激怒されたとか、さんざん嫌味を言われたとかも。

では、内定を辞退することはいけないことなのでしょうか。

内定とは、労働契約の一種とされ判例によれば、「始期付解約権留保付労働契約」とされます。

小難しいですが、簡単にいうと、始まる時期が決まっている労働契約です。解約権留保というのは、社員として本採用しない場合の解約権を留保している状態、つまり、まだ仕事はしていない(本採用は決定していない)けど労働契約を結んでいる状態です。

 採用内定は労働契約法が適用されます。企業側から内定を取り消すことは、解雇と同等の扱いとなり、簡単には解雇できない、つまり内定を取り消すことは簡単にはできないことになっています。

 では、内定を辞退することはどうでしょうか?

内定については、民法627条1項の規定が適用され、2週間以上の予告期間を置けば自由に労働契約を解約することができる(内定を辞退することができる)とされています。入社日の2週間以上前の内定辞退の連絡であれば、企業側は損害賠償の請求などはむずかしいところです。

 内定を辞退することは、権利としては自由にできますが、企業側の様々な準備や労力、さらに断られたあとに、採用のやりなおしなど苦労を考えれば、好き勝手に辞退していいということではないことは言うまでもありません。お互いが気持ちよく、次に踏み出すためにも内定を辞退する場合は、余裕をもって連絡できるようにしたいですね。企業側も断れたことに怒るのではなく、断られないためには何が必要だったのか、そこから、よりよい企業に成長したいですね。

しかし、この問題の根源はなんなのでしょうか。。就職する側は少しでもいい企業、自分にあった企業を見極めたい。人生かかってますから当然のことですね。企業側は、できるだけ早く、いい人材を確保したい。これまた人手不足なので当然です。そのなかで、採用内定をもらっている人が企業を見極めているうちに、少し遅れて(遅れていないケースも)内定辞退を伝えたところ、企業側が採用難に対する本音で、怒る場合があった。そういう事例を聞くと断る方はより断りにくい。時間だけが過ぎていく。ついには連絡もしない、またはギリギリで連絡してさらに企業側がキレる、みたいな、どうしようもない悪循環。。。断る方は早めに連絡、断られた方は怒らない。これしかないと思うが、どうしても個人の感覚の違いもあるし難しいところなのかも。内定辞退代行会社みたいなものも出てくるのだろう。コミュニケーションがやはり大事。あまりギスギスしない世の中になってほしいと願います。

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